長良家<6>


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長男、ニヤニヤしながら帰宅。

「うわー、もー、どーしよーうへへへへ」





彼の表情筋が緩んじまってどうにもならない理由はですね





幼き日、すれ違うように出会った憧れの「銀髪の君」が
なんと今日、彼の家にやってきたからです。
あのときの少女は、風間家の次女・紗矢香。

佑輔「(いやぁ…もうこれって運命だよねそうだよねフヒヒ)」

はい妄想スイッチ入りましたー





さっそく、自慢の露天風呂でくつろいでもらうことに。
憧れの人が水着姿で自分の隣に!
ウブな十代男子には刺激が強すぎますね

佑輔が緊張のあまり固まってると、紗矢香が切り出しました。

紗矢香「ここのお宅って、越してきてまだ数年でしょ」
    「こないだキミのお母様とお話して聞いたんだけど」
 佑輔「えぇ?!なんで母と?知り合いなんですか?」
紗矢香「んーと、たしかあれは…」

〜〜 回 想 〜〜





コーヒー飲みに行ったら、お母様が先に飲んでらしたの





初対面だったけど、レジに並んでたら声かけられて

 妙子「あらっ素敵な瞳!ねえ貴女、それコンタクト?」
紗矢香「いっいえ、これは生まれつきで…」
 妙子「まあ〜そうなの。髪も綺麗だし、なんだか神秘的ね」
    「貴女学生さん?良かったらお友達になりましょうよ」
   「そうだ、今度家にいらっしゃいよ!うち露天風呂あるのよ」





紗矢香「えぇっ!?いきなりお家にですか?ご迷惑なんじゃ…」
 妙子「な〜に言ってるのよ!私が良いって言ってるんだから良いの」
    「ちょうど貴女くらいの息子もいるのよ。公立の生徒なんだけど」
    「あら同じなの!じゃあ(以下佑輔の特徴説明)」
   「今度この子見つけたら一緒に帰ってらっしゃいよ」

以下、延々と世間話が続く





〜〜 回 想 終 了 〜〜


「というわけ。学校でいきなり声かけてごめんね」
「キミのお母様って、すごいわね…圧倒されてコーヒー飲み忘れたわ」

母が彼女を得意のマシンガントークで口説き落としたと聞いて
嬉しいやら恥ずかしいやら

佑輔「(母さん…なぜそれを僕に言わなかったんだ)」





紗矢香「びっくりしたでしょ?知らない上級生に呼び止められたら」
 佑輔「えっ、いえ、はい、びっくりはしましたけど」
    「先輩のこと、ずっと前に家の前で見たことありますよ!」
   「引っ越してきてすぐでした。先輩の髪は短かったんです」
紗矢香「そうなの?ちょっと覚えてるわよ。見慣れないお家だなって」
    「もしかして、キミそのときタクシーに乗ろうとしてた?」

おめでとう!それぞれの記憶がつながりました。
ここから一気に打ち解け、若い二人はすっかり友達に。





そこへハイテンションの妹が帰宅。

珠緒「はーいみんな注目!私テストで1番になったのよ!!」

よっぽど嬉しかったのか、しばらくピョンピョンしておりました。





 妙子「すごいじゃない!母さん鼻が高いわ」
 佑輔「マジで?お前そんなに勉強できたんだ。やるなあ」

妙子さんいつの間に入ってたんだ?

紗矢香「妹さん可愛いのね。私も妹が欲しかったなぁ」
 珠緒「じゃあなってあげてもいいよ〜。お・ね・え・ちゃん♪」
 佑輔「(ちょ!おま!ななななんてことを…)」

珠緒は機嫌がいいのでノリノリなだけで他意はありませんが
佑輔にしてみれば心臓が跳ね上がるような発言。

妙子「あら、佑輔鼻血出てるわよ。のぼせたのかしら?」

家に帰ったときからのぼせてたわけですがね





兄に鼻血を出させた張本人は素知らぬ顔で
仕事から戻った忍にテストの結果を報告。

珠緒「ね、すごいでしょ!ご褒美ちょーだい」
 忍「そうかそうか!賢くなって…」

忍もこの日ちょうど昇進したところだったので、気が大きくなり

「よーしパパ私立の校長先生呼んじゃうぞー!」

同僚(郁乃)を連れてきてるし来客も多いのに、今から校長接待か…





そんなわけで、校長を呼び出して仕事着のまま招待。

忍「いやー先生、我が家の子どもたちをぜひ御宅の生徒に!」
  「息子は努力家ですし、娘はテストで学年1位になったんです」

ここぞとばかりに我が子を売り込みまくる父親。





若干不満げな妙子。

「接待はいいけど、なんで私が食事を…忍くんの方がうまいのに」
「それ以前に、なんで私が接待役じゃないのかしら?」

マシンガントークで校長にドン引きされること必至だからですよ





その後ろで、しゃべりながら勝手に食べ始める娘と来客。

郁乃「肝試しって楽しいわよ〜。色取り取りのオバケに会えるの」
珠緒「(このヒト、なんでオバケの話のとき楽しそうなんだろ)」

郁乃さん、話を振る相手を間違えてます。





校長「優秀なお子様たちですな。ぜひ我が校に入学して頂きましょう」
   「高水準な学問と、情熱的な恋愛を育む土壌を享受されたし」

ど、どんな学校なの…?





そんなわけで、若干不安ですが私立校入学も決まりました。
佑輔にしてみれば、紗矢香と違う学校になるのは不本意でしょうが…
まあ大丈夫でしょ(何)

珠緒「(学校のテストなんか、おまるに比べれば楽勝よ…ムニャ)」

おまるに嫌な思い出でもあるのか?


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