風間家<1>


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風間家のキッチンに、腹を空かせた少年現る。





十代男子の夜食はカップ麺、これ定番。

「あと30秒!あーーもう待ってらんねー」





広いテーブルの隅っこに独り、かっ込む姿が侘しい。

愁「フツーは姉ちゃんか誰かが作ってくれるもんじゃねーの?」





その姉が、食べ終わった頃にやってきて何か作り始めました。

御影「あんたのもあるわよ。手伝ってよね」
  愁「ちょwおせーよ!でも食ってやるよ(まだ食い足りねーし)」





そこへ母もやってきた。

志鶴「愁も飲むなら淹れるよ?」
  愁「いんやーいいわ。あんがと」





自分の分だけ持ってさっさと着席していた姉と母。
そして有無を言わさず給仕をさせられる長男。

志鶴「今度の貴女の特集、ヒナギク占いなんてどうかしら?」
御影「昇進したらね。今はタレコミの調査員だから記事はまだ」

御影はメディア界の大物となるべく、実力をつけている途中なのです





唯月「わあ、いい匂い!ぼくも食べる〜」

外で泳いでいたらしい末弟も匂いにつられてきた模様。
せっかくなので次女の紗矢香にも来てもらいました。





志鶴「この歳で仕事もしてないと、新しい友達もできないわねぇ」
  愁「おひははんへーあいっひょ(歳は関係ないっしょ)」
御影「そうだけど、愁が言っても説得力ないわよ」
   「あんた16歳高校生なのに友達いないじゃない」
 愁「俺のツレにふさわしい奴が学校にいねーだけだし」
  




  唯月「学校の友達みんないい子だよ!シュウくん寂しくない?」
紗矢香「お兄の性格じゃ誰だって逃げてくわよ」
     「まずあのガラ悪いヤンキー服どうにかしたら?」
   愁「なんでサヤちゃんにはあの服の美学が判んねーのよ」
紗矢香「あたしだけ『ちゃん』付けすんな。キモイ」

志鶴「やっぱり出会いは外よね。また仕事始めようかしら」
御影「まー母さんはそろそろ再婚しなさいって!じゃごちそうさま」
紗矢香&愁「(あの姉はまた無神経な発言を…)」

5人揃えば賑やかな家族の食卓。
女手一つで育ててくれた母を思う気持ちは、きょうだい皆同じです。





食後解散したものの、また何となく集まってしまった家族(一人除く)。

  唯月「あはは!ミカちゃんダンスうまーい」
紗矢香「(いっくんに頼まれてた本持ってきたんですけど…)」





「まあ気長に待ちますか。早く来ないと先に読んじゃうぞ」

ダンス中の唯月待ち。紗矢香さんスカートの中身が丸見えだよ!!





長姉とのダンスを終えてやってきた弟に言い聞かせ。

「はい、頼まれてたヤツ。これは毎日の宿題が終わってから読むこと」
「約束守れなかったら、姉ちゃん特製のプリント追加だからね」





紗矢香「けど、いっくんああいうの好きだったのね」
    「あの本難しいけど、全部読めばロボットなんてすぐ作れるわ」
  唯月「ほんと?ぼくも早くサヤちゃんみたいにロボつくりたい!」

紗矢香はロボット作りのバッジを持っていて、唯月憧れの的。
この知識願望の姉と一番仲が良いせいか、唯月の興味もそちら寄り。

なんて言ってるところに、オオカミの来訪が。





紗矢香「あらひさしぶり。今夜も光ってるわね」
  唯月「サヤちゃんオオカミ怖くないの?」
紗矢香「見た目ほど凶暴じゃないのよ。唯月も遊ぶ?」





オオカミ「ばう!!ばう!!!」
   唯月「うわっ?!やだよ!なんで吠えるの?」

子ども嫌いなオオカミなのかもしれんですね。
しかしオオカミ、紗矢香の足下にめっちゃ埋もれてるんだが…





そして、あろうことか唯月の鼻先に尻を寄せるオオカミ。

  唯月「いやだってば!臭いよ〜」
紗矢香「(プッ…ちょっと笑える。面白いモノ見ちゃった)」
  志鶴「(ああ、唯月を助けなきゃ…でも怖いわ、どうしましょう)」

母さん、そんなにオロオロしなくても大丈夫です。


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